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建物の改修前にする法的検証とは?法的検証問題は実は時間軸にあり!?

2020年 RENOVATION ARCHITECTURE

建物の改修前にする法的検証とは?

 

今ある間仕切りを撤去する改修工事を行うとします。この間仕切りが建築基準法上必要な区画であった場合、これを単純に撤去したままだと法令に違反することになりかねません。法令遵守はそれ自体が事業者にとって守るべき基本的事項でありますが、例えば仮に意図せず火災などの事故が発生して不幸にも人的もしくは物的損害が生じた場合、法令に違反していたという事実が、その損害に対する責任や企業のレピュテーショナルリスクを増大させる事態となりかねません。不用意な改修工事によってこのようなリスクが生じることがないよう検証が必要となります。

 

 

既存建築物の法適合性

 

改修工事における法的検証問題は時間軸という観点で二段階に分けて考えることができます。

 

第一は、改修工事前の建物の状態です。既存の建築物が現行の建築基準法などの法令に違反している状態を既存不適格状態または法不適合状態といいます。既存不適格状態とは、現に適法に存在していた建築物がその後の法改正によって法不適合になったものです。法不適合状態とは、建設時点での法令に違反しているもので、これは違反建築として扱われます。改修工事を実施するにあたって既存の建物が法に適合しているかどうか、また仮に適合していないとしても、それが既存不適格であるか違反建築であるかによって改修工事のアプローチが変わります。

 

改修工事そのものの法的位置づけ

 

第二に、改修工事そのものの法的位置づけについて述べます。一般的に建築行為は建築基準法に適合していなければならず、これは新築のみならず改修においても同様です。また建築行為には建築確認が必要なものと省略できるものに大別されます。建築基準法第6条により、「増改築」「大規模の修繕」「大規模の模様替え」および「用途変更」が原則として確認申請が必要とされています。本来必要な建築確認を行わずに改修工事を実施するとその時点から違反建築となります。

新築を確認申請なしで実施することはあまりないのに対して、本来必要な確認申請を省略して改修工事が行われることが少なからず存在する理由としては、①工事規模が比較的小さいこと、②(何もないところに建物ができる新築と違って既存の建物を変更する改修工事は)工事の存在が目立たないこと、および③改修工事を請け負う業者の知識不足などが考えられます。とりわけ③の観点は重要であり、悪意なき法令違反を誘発させる原因として無視できないものとなっています。

 

いずれにしても、これらのことに対して的確に対応できる知識・能力あるいは姿勢を持たない工事会社に改修工事を依頼すると思わぬリスクを抱え込む結果になりかねず注意が必要です。

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