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倉庫と工場の暑さ対策に断熱・遮熱する方法とメリットを解説

投稿日 : 2022.10.14  更新日 : 2026.01.09 RENOVATION

倉庫と工場の暑さ対策に断熱・遮熱する方法とメリットを解説

 

 

近年では、工場や倉庫など、事業用の施設においても光熱費削減対策や労働環境の改善を目的として『断熱』や『遮熱』対策が取り入れられるようになっています。

『断熱』という言葉に関しては、魔法瓶の仕組みを説明する際によく聞きますし、最近では戸建て住宅市場で『高気密・高断熱』という言葉がキーワードになっていますので、それなりに耳にする機会が多いです。しかし、これに対して『遮熱』という言葉についてはその意味を正確に説明できる方は少ないです。この記事では、『断熱』と『遮熱』の違いや、工場や倉庫などで断熱対策・遮熱対策を取り入れる方法とそのメリットなどをご紹介していきます。
工場・倉庫の断熱・遮熱の工事を検討中の方は、ぜひ三和建設の改修工事・修繕工事の特長をご覧ください。

 

 

倉庫・工場が暑くなる2つの主な原因

倉庫・工場内が暑くなってしまう主な要因は構造上の問題や設備の老朽化や故障です。

 

構造上の要因

工場や倉庫などの施設は通常、大きな壁面と広い屋根を持っており、直射日光の影響を強く受けやすいため、高温となりやすい構造です。
さらに、建材や資材などが運び込まれる際に、その部材が熱を吸収し、その熱が室内に留まることもあります。その結果、夏季の倉庫や工場では、冷房を稼働させていたとしても室内温度が摂氏40度から45度まで上昇することはよくあります。

 

厚生労働省の「WBGT(暑さ基準値)」の基準によると、倉庫内での作業において、適切な気温の上限は26度から30度の範囲に設定されています。従って、これらの範囲を超えている倉庫や工場は、速やかに暑さ対策を行いましょう。

 

WBGT(暑さ基準値)

 

空調設備の老朽化や故障

倉庫内の温度上昇の原因の一つとして、エアコンやクーラーファンなどの空調設備の老朽化や故障が挙げられます。倉庫内は天井が高く、仕切りがほとんど存在しないため、通常よりも強力な空調システムが必要です。したがって、空調設備が経年劣化し、機能が低下したり、故障してしまうとすぐに高温多湿の環境になることがあり、迅速に対策をとる必要があります。いざ空調が必要な時期に慌てないためにも定期的にメンテナンスを行い、適宜新しい空調設備に交換しましょう。

 

 

断熱と遮熱の違い

それではまず、断熱効果と遮熱効果の違いから解説しておきます。それぞれの言葉は「熱を断つ」と「熱を遮る」という意味と捉えれば、なんとなく同じような意味なのではないかと考えてもおかしくないような気もします。
しかし、この二つの効果は、明確な違いが存在しますので、しっかりとそれぞれの意味を押さえておきましょう。

 

断熱効果とは

まずは『断熱効果』がどういったものかをご紹介します。断熱は、分かりやすく言うと「熱の移動を抑える」ことを意味しています。子供のころに皆さんも習ったと思うのですが、熱は温度の高い方から低い方へ移動する性質(熱伝導)を持っています。

 

この特徴があることから、外気温が高い夏は「屋外から屋内に熱が移動する」ことで暑く感じてしまい、冬は「室内の熱が屋外に逃げてしまう」ことで寒く感じてしまうようになります。このように、熱が自由に移動してしまえる構造の建物の場合、空調機器を利用して室温を調整したとしても、その効果を十分に生かすことができず、「暖めても外に熱が逃げる」「冷やしても外から熱が侵入してくる」といった理由で、空調効率が悪くなり、電気代や燃料代が余計にかかってしまうようになります。

 

建物に対する断熱対策とは、こういった熱の移動をできるだけ減らすことを指しています。例えば、夏場は強い日差しで外壁や屋根材が高温になるのですが、その熱が室内にまで入ってこないようにする、冬場は空調機器で暖めた熱が屋外に逃げていかないようにするといった対策になります。つまり、断熱対策と言うのは、夏場の暑さ対策はもちろん、冬の寒さ対策にも効果を発揮する方法となります。
要は、『高断熱』と言う特徴を持つ建物は、「夏は涼しく冬は暖かい」と言う室内環境を保ってくれることから、戸建て住宅市場でキャッチコピーのように使われるようになっています。

 

遮熱効果とは

それでは次に『遮熱』についても見ていきましょう。上述しているように、遮熱効果と断熱効果は明確に違うものです。断熱は、熱の移動を抑えるとご紹介しましたが、遮熱は簡単に言うと「太陽光を反射して内部に熱が入ってくることを防ぐ」ことを指しています。

 

皆さんも日光に当たっていると暖かく感じると思うのですが、これは太陽光が物体に当たると、エネルギーが熱に変換されるからです。そして、建物で考えた場合、日射により外壁や屋根が熱を持つことになり、その熱が室内に入ってくることになるため、日差しが強い夏場は冷房を使っていても暑く感じることがあるわけです。逆に言えば、この太陽光を反射させてしまうことができれば、物体に当たって生まれる熱の量が少なくなります。遮熱対策は、まさにこのような効果を狙ったもので、暑い季節を快適に過ごすため、太陽光を反射させ熱の発生を抑える対策となります。

 

近年では、屋根や外壁に遮熱効果を持った塗料で塗装するといった手段が遮熱対策として有名になっていますが、太陽光を遮るために窓に遮熱カーテンや遮熱ブラインドを取り付けるといった単純な手法も、遮熱対策の一つになります。他にも、日本建築でよく採用されている『庇(窓やドアの上に取り付けられるでっぱり)』も、夏場の強い日差しを遮るという遮熱効果を持っています。

 

ここまでの説明で分かるように、遮熱効果は、夏場の強い日差しで室内が暖められるのを防ぐという暑さ対策には有効ですが、冬場の寒さ対策には何も効果がありません。
 

 

倉庫・工場の部位別断熱・遮熱対策

それでは、工場や倉庫などの事業用施設において、断熱や遮熱対策を検討した場合、どういった対策があるのかも見ていきましょう。ここでは、各対策のメリット面も簡単に解説しておきます。
 

倉庫や工場での断熱・遮熱対策①屋根や外壁の遮熱シート施工工事

 

倉庫や工場における断熱・遮熱対策の主流は、建物の天井や壁への遮熱シート施工です。

遮熱シートは、断熱材よりも薄く、表面のアルミ箔によって輻射熱を反射(遮断)し、天井や壁に遮熱効果をもたらします。特に、太陽に近くて常に直射日光が当たる天井への施工は、遮熱効果が非常に高く、施工期間も比較的短く済むため近年では主流となっています。
また、屋根・外壁は遮熱・断熱塗料を使用していても近年の夏の暑さは尋常ではありません。そのためさらなる暑さ対策として導入する企業が増えていることも要因の一つです。

 

工場・倉庫の天井断熱のポイントと素材を紹介

 

倉庫や工場での断熱・遮熱対策②屋根や外壁の塗装工事

倉庫・工場の定期塗装メンテナンス時に断熱や遮熱効果を持つ専用塗料を採用することで、建物に断熱効果(遮熱効果)を持たせることができます。
現在の塗料の対応年数に応じて7~10年ごとに定期的に行うべき塗装メンテナンスや塗り替え時期に合わせて断熱・遮熱塗料を用いることで、スムーズな断熱・遮熱対策が可能です。
塗料に応じて目的や期待できる効果も違うため目的に合わせて早めに見積もり依頼をおすすめします。

  • 断熱塗料:夏の暑さだけでなく、冬の寒さにも対応可能
  • 遮熱塗料:夏場の室温上昇を抑える

また、施設の美観や防水性の維持などと合わせて塗料を選定できるのも大きな魅力です。
 

【関連記事】
工場・倉庫で行われる塗装メンテナンスのメリットとは?
 

新築工事で遮熱シートを施工した案件①

中津紙工株式会社のキープサーモウォールを使用した遮熱シート施工工事です。

遮熱シートを施工することで、室内温度上昇を抑え、作業環境の改善と空調負荷の軽減を図りました。専門スタッフがシートの折れや隙間が生じないよう細心の注意を払って仕上げています。これにより、日射熱の侵入を効果的に抑制し、冷房効率の向上や省エネにつながります。
施工期間:1週間

中津紙工株式会社のキープサーモウォールを使用した遮熱シート施工工事
中津紙工株式会社のキープサーモウォールを使用した遮熱シート施工工事

 

新築工事で遮熱シートを施工した案件②

文化シャッターのはるクールAを使用した遮熱シート施工工事です。

遮熱シートを設置し直射日光による熱の侵入を防ぎ、屋内の温度上昇を抑えることができました。はるクールAは高い遮熱性能と耐久性を備えており、大規模建築物においても長期的な省エネ効果が期待できます。施工時には重ね幅や気密性に配慮し、製品の性能を十分に発揮できるよう丁寧に仕上げました。
施工期間:1週間

文化シャッターのはるクールAを使用した遮熱シート施工工事
文化シャッターのはるクールAを使用した遮熱シート施工工事

 

倉庫や工場での断熱・遮熱対策③窓部分の断熱・遮熱対策

 

窓に対策を施すことでも断熱効果や遮熱効果を高めることが可能です。ここでは、代表的な方法を紹介します。

 

室内側でできる簡易的な対策

最も手軽な方法は、遮熱カーテンや遮熱ブラインドを設置し、太陽光を窓部分で遮ることです。これだけでも室内が直射日光で暖められるのをある程度防げます。ただし、カーテンやブラインドは室内側に取り付けるため、室内の空気が熱を持つ点は避けられません。

 

窓そのものを見直す本格的な対策

より効果的なのは、窓ガラスそのものを断熱・遮熱性能の高い素材に変更する方法です。
近年では、2枚のガラスを組み合わせた複層ガラスなどが普及しており、中には断熱性や遮熱性に優れた製品もあります。これらに交換することで、建物全体の断熱・遮熱性能を大きく向上させることができます。

 

窓ガラスの交換は比較的シンプルな工事で済む場合が多く、業務への支障が少ない点がメリットです。また、補助金制度を利用できれば、費用を抑えて導入することも可能です。
ただし、ガラスの種類によってはサッシごと交換が必要になるケースもあり、その場合は施工費用が高額になる点に注意が必要です。

 

倉庫や工場で断熱・遮熱するメリット

ここでは倉庫や工場で断熱・遮熱するメリットについて説明します。

 

内部の温調管理がしやすい

断熱・遮熱対策をすることで、外部からの熱の侵入や室内の熱の逃げを抑えることができます。これにより、倉庫や工場内の温度がより安定し、急激な温度変化を防ぐことができます。

 

製品の品質を保てる

倉庫・工場の室内温度は製品の品質に影響を与えます。断熱や遮熱施工を行い、急激な温度変化を防ぐことで品質を保ちやすくなります。

 

作業効率を向上できる

倉庫・工場で遮熱・断熱対策をして作業環境が整えられることにより従業員の作業効率が高まり生産性の向上に貢献します。

 

熱中症リスクを抑制できる

倉庫や工場内が高温になると、従業員の熱中症の発症リスクが高まります。遮熱・断熱工事を行うことで、熱中症リスクを抑えます。

 

コストが削減できる

遮熱・断熱によって、冷暖房の効率が向上し、室温上昇も防ぐことができます。冷暖房の使用頻度が低減され、光熱費の節約が実現します。

 

まとめ

今回は、工場や倉庫における断熱・遮熱対策についてご紹介してきました。この記事でご紹介していますが、断熱と遮熱に関しては、似たようなものだと考えている方も多いのですが、実は効果が得られる仕組みなどが全く異なる違う対策だという点は忘れないでおきましょう。

 

特に、断熱対策に関しては、夏の暑さ対策も冬の寒さ対策にも有効なのですが、遮熱対策については寒さ対策には何の効果もないどころか、太陽光による熱を遮ってしまうことから、より寒い空間を作ってしまう恐れすらあります。こういった断熱・遮熱対策は、光熱費削減や労働環境改善を目的に行うケースがほとんどですので、それぞれの対策で得られる効果を正確に認識し、自社に必要な対策がどちらなのかを見極めましょう。

 
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この記事の著者

川口 秀夫

川口 秀夫 取締役 大阪本店長
1993年三和建設株式会社 入社 2022年同社執行役員就任

改修工事はお客様の要望(生産との調整や予算)に応じて、段階的に工事を進めることも可能です。
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施工管理歴13年、1級建築施工管理技士、建築積算士

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