食品工場・倉庫建設設計施工の三和建設株式会社

INFORMATION

お役立ち情報

工場・倉庫の寒さ対策!で省エネと作業効率向上

2023年 RENOVATION

工場・倉庫の寒さ対策!で省エネと作業効率向上

寒さ対策
 
四季のある日本では、気温が下がる冬場の労働環境に頭を悩ませる施設が少なくありません。特に、工場や倉庫など、空間が非常に広い労働現場は、空調設備を導入していたとしても寒さが厳しく、従業員が震えながら作業しなければならない日もあるようです。当然、労働現場が寒すぎる状態になると、従業員にとっては苦痛で、作業効率が落ちるリスクがありますし、最悪の場合、寒さで動きが鈍りケガや事故などの労働災害の発生原因になりかねません。実際に、労働環境と寒さの関係に関する実験において、「寒さ」が作業効率を低下させたという研究結果も報告されています。
 
コーネル大学ヒューマンファクター・人間工学研究所所長のアラン・ヘッジ氏は、肌寒い労働者はミスが増えるだけでなく、気温が低いと労働者の時間当たり人件費が10パーセント上昇する可能性があると推定している。
引用:コーネル大学
 
そこで当記事では、工場や倉庫で働く方が安全で効率良く仕事ができるようにするための、工場・倉庫の寒さ対策について解説します。

 

工場・倉庫が寒くなる理由とその弊害

それではまず、工場や倉庫の労働環境が寒くなる理由と、寒さによってどのような弊害が生じるのかについて簡単に解説します。
 

工場・倉庫が寒くなる理由

工場や倉庫などは、一般的なオフィスと違って、従業員の方が「寒い」「冷える」と感じているケースが多いようです。それでは、空調設備などもきちんと導入されているにもかかわらず、なぜ厳しい寒さを感じるのでしょうか?
 
ここでは、工場・倉庫の労働環境が寒くなる代表的な要因を紹介します。
 

  • 空間が広くて空調が効きにくい
    工場や倉庫は、天井が高く施設面積が広い場合が多いです。これは、安全な作業や荷物の保管に、十分な空間が必要だからです。ただ、広い空間になると暖房効率が悪くなるため、室内を隅々まで暖めることが難しくなり、そこで働く従業員が寒いと感じる場合があります。
  • 設備や構造の問題
    工場や倉庫の床は、コンクリート床が一般的です。そのため、それほど気温が低くない場合でも、足元から冷えを感じる場合があります。また、暖房効率が悪いうえに、通常の施設と比較すると開口部が大きい、作業の関係で閉め切れないなどの問題から、外気が侵入しやすくなり、より寒さが厳しくなるケースがあります。
  • 製品や材料の管理温度の関係
    食品関連の工場や倉庫では、製品の品質維持を何よりも優先しなければいけません。食品は、保管・管理するために決められている温度帯があるため、たとえ従業員が寒さを感じていたとしても暖房を使用することができません。

 
工場・倉庫は、上記のような理由から、冬場の寒さが厳しい労働環境になりがちです。この他にも、工場や倉庫は、都市計画法や工場立地法、建築基準法などのルールを守った上で建設しなければならないため、人家が少ない立地が選択されるケースが多い点も寒さに関係します。周囲に建物が少ない土地は、風通しが良くなるため、街中や住宅街よりも冷え込みが厳しくなります。工場や倉庫の建設は、コスト面を考えて、出来るだけ地価が安い土地を探す場合が多いのですが、自然環境の影響を大きく受ける立地条件となると、室内であっても外気温の影響を受けやすくなるので注意しましょう。
 

工場・倉庫が寒いとどんな弊害がある?

冒頭でご紹介したように、寒さは作業効率を低下させる要因となります。それでは、工場や倉庫で働く人が寒さを感じながら作業する場合、どのような弊害が生じると考えられるのでしょうか?以下で、寒さによる代表的な弊害を紹介します。
 

  • 体調不良の原因となる
    工場・倉庫内の気温が低く、従業員が寒さを感じながら作業をすることになると、従業員の体力を余計に奪い、疲労の蓄積に繋がることで、体調を崩しやすくなるという弊害が考えられます。
  • 注意が散漫になることで、ミスやトラブルが増える
    極端な寒さや冷えは、人の注意力や判断力を奪います。注意力や判断力が低下した状態で働くと、普段はしないミスが頻発したり、最悪の場合、重大な労働災害を引き起こす可能性があります。
  • モチベーションの低下
    厳しい労働環境は、モチベーションにも影響します。モチベーションの低下が、作業効率にも悪影響を与えますし、従業員の早期退職が増えるなど、離職率が高くなるなどの問題に発展する可能性があります。

 

工場・倉庫の寒さ対策とは

工場・倉庫が寒すぎる事で作業効率の低下や人的ミスの増加、重大な労働災害の発生など、さまざまな問題が引き起こされる可能性があります。それでは、従業員が寒さを感じず、安全で快適に働ける環境を作るにはどうすれば良いのでしょうか?

ここでは、工場・倉庫の寒さ対策として、管理者側が行う対策と、従業員側が行える対策を紹介します。
 

管理者側が行う寒さ対策

まずは、管理者側が検討すべき寒さ対策からです。大規模な空調設備を整えるという方法も考えられますが、この対策はコスト的な問題が発生します。空調設備の導入にかかるイニシャルコストはもちろん、大規模空調設備の導入となると、設備が整うまで工場・倉庫の運用を止めなければならない可能性があり、簡単に選択できる対策とは言えません。
 
そこでここでは、比較的コストをかけなくても実施できる従業員の寒さ対策をいくつかご紹介します。下で紹介する対策の中には、寒さ対策が可能なだけでなく、施設の省エネ性向上まで見込める方法もあります。
 

ストーブを設置するなど、局所的に暖める

従業員の作業スペースに、石油ストーブを設置すれば、手早く暖を取ることができます。石油ストーブは、設置するための工事なども不要なので、欲しい時にすぐ導入できるという手軽さもメリットと言えます。業務用の大型ストーブでも、数万〜十数万円のコストで導入できます。移動可能なキャスター付きの物を導入すれば、作業者がいる場所にその都度持ち運ぶことも可能です。ただ、火気厳禁の場所や換気が困難な密室の寒さ対策には不向きです。
 

ビニールカーテンを設置して空間を仕切る

広い空間となる工場や倉庫では、ビニールカーテンを仕切りとして活用することで、空気の移動を制限するという寒さ対策が効果的です。また、作業の関係で開口部を閉め切りにできない場合も、ビニールカーテンを設置することで、暖気が逃げる・冷気の侵入を防ぐことができます。工場や倉庫が寒くなる原因は、空間が大きすぎるため暖房効率が落ちるからです。したがって、人が作業を行う場所をビニールカーテンで仕切って、空間を小さくすれば効率よく暖めることができます。

ビニールカーテンは、取り付けや取り外しも比較的簡単で、専門家による大がかりな工事が不要な点もメリットです。コストをあまりかけることなく、寒さ対策ができ、温めた空気を逃がすことなく冷気が侵入しにくくなることで暖房効率が改善し、省エネ性の向上も期待できます。
 

施設に断熱対策を施す

最後は、工場や倉庫に断熱改修を施すという対策です。屋根や外壁に断熱材を重ね張り施工するなどの対策を施し、建物自体の断熱性が向上すれば、外気の影響を受けにくくなり空調効率が高まります。断熱改修を行うには、専門家による工事が必要ですが、工場・倉庫の施工に慣れている業者に依頼することで、稼働を止めることなく工事を進めてもらうことが可能です。

建物全体の断熱改修を行えば、夏は冷房、冬は暖房と年間を通して空調効率が高くなるため、省エネ効果も期待できます。工場・倉庫の断熱改修については、以前別の記事で解説していますので、以下の記事もご確認ください。

関連:工場・倉庫の天井断熱のポイントと素材を紹介
 

従業員側で出来る寒さ対策

寒さの感じ方は、個人差がありますので、暖房設備を用意したとしても全ての従業員それぞれの要望に合わせることは難しいです。したがって、従業員個人の寒さ対策については、各々で防寒対策をしてもらう必要もあります。

従業員各々が防寒対策をするにしても、管理者側で用意できる物は可能な限り支給する制度を作ることが望ましいです。全て従業員個人に任せると、金銭的な負担が増加するため、不満が募るリスクがあります。ここでは、従業員側ができる寒さ対策についていくつかの具体例をご紹介します。
 

防寒着を着用させる

最も簡単な寒さ対策が、従業員各自に防寒着を着用してもらうという方法です。重ね着をしすぎると、動きにくくなり人為的ミスが増える恐れがありますので、保温効果が高いインナーなどを着用してもらい、動きやすさも確保しましょう。なお、冷凍・冷蔵倉庫など、極端に寒い場所で作業する必要がある場合、倉庫内作業に適した防寒着は管理者側が用意すべきでしょう。

この他にも、保温効果の高い手袋や靴下、耳まで覆うことができるような防寒帽子なども、作業内容や作業環境によって活用することをおすすめします。
 

防寒グッズを利用する

工場や倉庫での寒さ対策では、カイロなどの防寒グッズを利用するのも効果的です。カイロをポケットに入れておくだけで、体を暖めてくれますし、かじかんだ指先などを簡単に暖めることができます。カイロは、安価で手に入れやすい製品ですので、管理者側でまとめて購入し、従業員がいつでも使用できるように控室などに支給品として置いておくのもおすすめです。

この他にも、屋外での作業がある場合はネックフォーマー、コンクリート床など床から冷えが伝わりやすい環境の場合、レッグウォーマーなどを活用するのも良いでしょう。
 

まとめ

今回は、工場や倉庫の労働環境が寒くなる理由と、従業員が安全で快適に働けるようにするための寒さ対策について解説しました。工場や倉庫は、安全な作業環境の確保、保管効率の向上などを実現するため、広い空間が求められます。そのため、暖房などの空調設備を整えていたとしても、施設内を隅々まで暖めることが難しく、従業員にとって「寒すぎる…」と言った過酷な環境になりやすいです。

工場・倉庫の寒さは、従業員の作業効率・モチベーションの低下を始めとして、人的ミスの増加や労働災害の発生など、さまざまなデメリットをもたらす恐れがあります。記事内では、工場や倉庫の労働環境を改善するため、さまざまな視点からの寒さ対策をご紹介していますので、ぜひ参考にしてみてはいかがでしょう。
なお、建物そのものの断熱改修は、外気温の影響を受けにくくすることができるため、寒さ・暑さ両方の対策となります。さらに、空調効率の改善による省エネ性の向上まで期待できます。
 
倉庫・工場リフォーム・改修工事に関する詳細はこちら

 

関連記事
倉庫・工場の暑さ対策の重要性と具体的な方法を解説

この記事の著者

著者 : 辻中 敏

辻中 敏 常務取締役 大阪本店長
1990年三和建設株式会社 入社、2021年同社 専務取締役就任

改修工事は新築以上に経験が求められます。これまでの実績で培ったノウハウを惜しみなく発揮いたします。 特に居ながら改修については創業以来、大手企業様をはじめ数多くの実績があり評価をいただいています。工事だけではなく提案段階からプロジェクトを進める全てのフローにおいて、誠実にお客さまに寄り添った対応を行い、 安全で安心いただける価値を提供いたします。

施工管理歴15年、1級建築施工管理技士、建築仕上げ改修施工管理技術者

前のページへもどる