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工場・倉庫の防水改修工事の種類とメンテナンスのポイント

2023年 RENOVATION

工場・倉庫の防水改修工事の種類とメンテナンスのポイント

工場・倉庫の防水改修工事・メンテナンス

 

工場や倉庫での雨漏り・漏水は、建物の劣化を早めるだけでなく、施設内で使用されている設備の故障や業務効率の悪化など、さまざまな面に悪影響を与えます。そのため、どの事業者も定期的に防水に関するメンテナンスは行っていることでしょう。

 

当記事では、工場や倉庫などで、定期的に必要になる防水改修工事について、その種類とメンテナンスのポイントを解説します。

 

▼工場の床塗装については以下の記事もご覧ください。
工場の床塗装の必要性と定期的にメンテナンスを行うメリットをご紹介

 

防水改修工事の種類

防水工事は、建物を雨漏りや漏水から守るといった建物の保護が主な目的です。この他にも、建物の美観を維持するなど、会社のシンボル的な工場や倉庫にとっては決して欠かすことができないメンテナンスです。なお、一口に「防水改修工事」と言っても、いくつかの手法がありますので、以下で解説します。

 

①ウレタン防水

ウレタン防水は、ウレタン樹脂という液状の防水材を塗布し、乾燥させることで防水層を作る工事です。ウレタン防水のメリットは、防水面に継ぎ目が生じないことや、液状の防水材を塗布する方法なので、凹凸のある場所や複雑な形状の場所でも施工できる点です。そのため、屋上やバルコニー、外壁の防水工事に採用されることが多い手法です。また、他の防水工事と比べると、安価で施工できる点が魅力です。

なお、ウレタン防水は、ウレタン樹脂を均一な厚さの塗膜になるよう仕上げる技術が必要になるため、高度な技術を持った施工会社を選ぶことが大切です。ウレタン防水には、以下のような工法があります。

 

密着工法
密着工法は、下地に直接ウレタン樹脂を塗布し、防水層を作る工法です。他の工法に比べて、費用を抑えられるという点で、良く選ばれる工法です。

 

メッシュ工法
メッシュ工法は、下地と防水層の間に「メッシュシート」という網目のあるシートを入れる工法です。勾配がある場所の防水など、均一に塗布することが難しい場所に採用されています。

 

通気緩衝工法
通気緩衝工法は、下地に通気緩衝シートを貼り付け、その上にウレタン樹脂を塗布する工法です。この工法は、下地の水分により、防水層に内部から膨れが発生するのを防止するために採用されます。主に、既存下地がコンクリートの場合に使用する工法です。

 

②FRP防水

FRPは「Fiber Reinforced Plastics」の頭文字をとった略語で、繊維強化プラスチックと訳されます。これはガラス繊維を混ぜたプラスチック樹脂のことで、これを防水材に使用するのがFRP防水です。具体的には、ガラス繊維を混ぜたプラスチック樹脂のシートを敷き、その上に樹脂を塗って硬化させ防水層を作る工法です。

 

FRPは、非常に硬くて丈夫であり、耐荷重性に優れた材料です。さらに高い防水性を持っていることから、貯水槽などにも使用されています。一方で、FRPは、紫外線に弱く、表層の塗膜がなくなると、内部で空気が溜まり浮いてくるなどの問題点があります。そのため、屋上の防水工事では使用せず、主に日陰、室内になる場所に採用されます。

 

なお、FRP防水は、摩擦や衝撃に強く、他の工法に比べると軽い、工期が短くて済む点がメリットです。

 

③シート防水

シート防水は、防水性を持つシートを貼り付ける防水工事です。シート防水に使用されるシートは、ゴムシート・塩ビシート・アスファルトシートなど、さまざまな種類があります。採用するシートの種類は、人が歩くことがない非歩行用、歩くことがある歩行用の場所と、車の乗り入れまで想定する重歩行用など、防水工事を施す場所の特性によって変わります。

 

工場や倉庫の屋上など、広い場所の施工に適していることやスピーディに施工できるなどのメリットがあります。一方で、防水層に継ぎ目ができることから、経年劣化などにより剥がれ・めくれなどの不具合が生じ易いことがデメリットです。

 

④アスファルト防水

アスファルト防水は、石油などの化学繊維で作られたシートに、アスファルトを含ませ、下地に貼り重ねていく防水工事です。この工法は、紫外線や雨水に強いなど、高い強度と耐久性に優れているのが特徴です。

アスファルト防水は、バーナーなどを用いてアスファルトを炙って貼り付ける「トーチ工法」が主流ですが、施工時の独特な悪臭がデメリットです。

 

⑤シーリング工事

シーリング工事は、外壁材の継ぎ目や、外壁材と窓枠・ドア枠の間の取合いに、シーリング材を充填する工事です。シーリング工事は、建物の防水性だけでなく、気密性を高める目的も持っており、外気や水分の侵入を防ぐためには欠かせません。

シーリング材は、耐用年数が約10年と、外壁材よりも短いです。そのため、比較的短いスパンで改修工事が必要です。

 

関連記事:工場・倉庫の屋根防水工事にはどんな種類がある?それぞれの特徴をご説明

 

 

防水改修工事の必要性を見極めるポイント

最後に、防水工事を実施すべきと判断するための見極めポイントをご紹介します。

 

防水材の耐用年数で見極める
一つ目のポイントは、防水材の耐用年数から、防水改修工事のタイミングを見極めることです。例えば、ウレタン防水は施工する場所や選ぶ工法によっても変わりますが、一般的に5~10年が耐用年数と言われています。またFRP防水は、約10年が耐用年数など、防水層には寿命があります。したがって、前回の施工から耐用年数近くになった時に、専門業者に点検してもらい、必要であれば防水改修工事を行うといった体制を作りましょう。

 

防水層に膨れが生じている場合
工場や倉庫などの広い屋根では、工事費用が比較的安く抑えられるシート防水が採用されることが多いです。これらの防水層は、時間とともに劣化が進み、防水層が膨れ上がるといった症状が出ます。この防水層の膨れは、劣化や漏水のサインです。すぐに防水改修工事が必要と判断できます。

 

目に見える劣化があればすぐに防水工事を
シーリング材が収縮して隙間が生じている、脱落している部分があるなど、目に見える劣化症状がある場合、既に漏水が始まっている可能性があります。早めに専門業者に点検を依頼し、必要な防水改修工事を行いましょう。

 

 

まとめ

今回は、工場や倉庫の防水改修工事について解説しました。工場や倉庫は、顧客の大切な商品を保管している、高価な機械設備が多く使用されていることから、雨漏りや漏水が発生した時の被害は、非常に大きいと考えられます。

 

どのような建物でも、建物内に水が侵入しないように対策が施されていますが、経年劣化により本来の防水性は徐々に失われます。したがって、適切なタイミングで防水改修工事を行わなければいけません。

 

本記事の防水改修工事の必要性を見極めるポイントに該当する場所があった場合は、すぐに点検をご相談ください。

 

工場・倉庫の環境変化に対応する軽微な修繕から大規模な改修まで、ベストな改修工事をご提案します。

 

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この記事の著者

著者 : 辻中 敏

辻中 敏 常務取締役 大阪本店長
1990年三和建設株式会社 入社、2021年同社 専務取締役就任

改修工事は新築以上に経験が求められます。これまでの実績で培ったノウハウを惜しみなく発揮いたします。 特に居ながら改修については創業以来、大手企業様をはじめ数多くの実績があり評価をいただいています。工事だけではなく提案段階からプロジェクトを進める全てのフローにおいて、誠実にお客さまに寄り添った対応を行い、 安全で安心いただける価値を提供いたします。

施工管理歴15年、1級建築施工管理技士、建築仕上げ改修施工管理技術者

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