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建築工事にまつわる二つの『かんり』

2017年 ARCHITECTURE

我々のような総合建設業者(いわゆる「ゼネコン」)が、建物を建築する現場で実際どのような仕事をしているのか?という事はあまり知られていない。

漠然とは「建物を造ってるんでしょ?」ということになるが。

原則的にはゼネコンの社員が自ら土を掘ったり、タイルを張ったりなどの作業はしない。

むしろ、してはいけない。

では何をしているのか??

工事担当者は「施工管理」あるいは設計担当者は「工事監理」と言われる『かんり』を日々の業務として実施している。

 

「施工管理」とはいわゆる現場監督さんの仕事であり、ご下命頂いた建物を、ご要望の品質で工期内に予算内で事故無く環境に配慮して最終的に発注者にお引渡しする仕事である。

 

具体的には

・搬入された資材や現場に取り付けられた成果品は要求された品質を満足しているか?

・工程に遅れはないか?遅れそうならどう対策を打つか?

・工事用設備に危険な箇所はないか?作業員の体調は万全か?

・現場から搬出される廃棄物は適正に処理されたか?

など、日々数多くの『管理』を実施している。もちろん自分自身で作業などしていると『管理』がおろそかになる訳で、そういう意味からも原則的に施工管理者は自ら作業してはならない。

 

 

では「工事監理」とは何か?

建築工事の契約とは、実物が存在していない段階での契約(請負契約)となる。

その根拠となるのが「設計図書」であり、もちろん、これから施工される建物は「設計図書」どおりに施工されなくてはならない。施工者が設計図書(契約)どおりに建物を施工しているか?それを発注者に代わって監理するのが工事監理者であり、一般的には当該建物の図面を作成した設計者が担うことが多い。具体的には

・施工者と打合せを実施し設計図書の説明をおこなう

・施工者が「設計図書」を元に作成した施工のための図面を承認する

・施工者の施工状況を発注者に報告する

・検査や引渡しの立会いを実施する

など。

 

この「施工管理」と「工事監理」は非常に似通った単語であるものの、その業務や立場は全く持って異なるもので確実に区別されるべきものである。我々の業界では会話の中でそれを区別するために「施工管理」を「竹かん」、「工事監理」を「皿かん」などと表現している。

 

当社のように設計施工を得意としている会社では、その異なる立場の「かんり」者を内包しているわけで、一つの建築現場においてはお互いの「甘え」というものが最大の敵となる。二つの『かんり』者間でお互いの立場を尊重しつつ日々議論を交わすことが顧客満足創造に繋がる。裏を返せば、それが出来ずしての設計施工は評価されない。

 

松本 孝文

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