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倉庫の修繕を検討する前に確認したい劣化のチェックポイント

2021年 RENOVATION

倉庫の修繕を検討する前に確認したい劣化のチェックポイント

一般住宅と同様に、工場や倉庫などの大規模施設でも定期的なメンテナンスを欠かすことはできません。どのような建物でも、そこに存在するだけで、日射や風雨の影響を受け続けているわけですので、徐々にですが確実に劣化が進行しています。

しかし、倉庫などの事業用物件は、中に人が住んでいるわけではなく、コストをかけるべきポイントが他にもたくさんあることから、建物のささいな修繕などは、その必要性が見落とされてしまうことが多いように思えます。そのため、建物が出してくれている劣化サインに早く気付けていれば、大規模な修繕工事にまで至らずに済んだようなケースでも、対処を遅らせてしまったことで莫大なコストをかけて大規模修繕工事を行わざるを得なくなることが珍しくありません。

施設規模に関わらず、どのような建物でも経年劣化は避けられないものですので、計画的にメンテナンスを行っていくためには、建物がだしてくれる劣化サインに気付き、素早く修繕を行っていくことが大切です。そうすることで、建物を長期的に維持していくことができます。この記事では普段からチェックしておきたい建物の劣化サインをご紹介します。

倉庫は定期的な修繕が必要!

一般の戸建て住宅はもちろん、事業用物件となる倉庫などでも定期的な修繕が必要です。

それは、どのような建物であっても、時間の経過による経年劣化や紫外線や風雨など、自然現象からの影響による物理的劣化によって、さまざまな部分に変化が起こるからです。そして、建物の経年劣化というものは、徐々に進行していくため、日常的にそこで活動している人でも非常に分かりにくく、劣化が表面化した時には既に大規模な修繕工事が必要になる可能性があります。

倉庫や工場など、建物の修繕を行っていく第一の目的は、こういったさまざまな要因で生じる劣化に対して、建物の状態を維持して、より長く建物を利用することにあります。一般住宅などでも、そこに長く住んでいくためには、外壁や屋根の塗装、コーキングの補修など、各劣化に応じた修繕を定期的に行っていくと思います。そして、倉庫などの事業用物件でもそれは同じで、建物を長く良い状態で使い続けるためには、各劣化に応じて適切なタイミングで必要な修繕を行わなかればいけません。
さらに倉庫などの事業用物件は、不特定多数の人々が内部で活動する場所となるため、BCPの観点からも、定期的な修繕が求められています。日本は、諸外国と比較しても、地震や台風などの自然災害が多い国として有名です。突然発生する自然災害に備えるためには、日頃から建物の安全性を万全に保つ必要があると考えましょう。

そのためには、普段から建物の状態をチェックしておき、「修繕の必要性があるか?」を的確に判断しなければならないと考えましょう。なお、「修繕が必要かどうか?」を判断するためには、建物が出す劣化サインに関する知識も必要となりますので、代表的な劣化サインを以下でご紹介しておきます。

修繕工事と改修工事の違い

少し話がズレますが、意外に混同している方が多いので、『修繕』と『改修』の違いについて簡単にご紹介します。倉庫や工場、マンションなど、比較的規模の大きい施設で行う工事には「大規模修繕工事」や「大規模改修工事」などと銘打たれたものが存在します。
この部分は、意外にも「同じ意味なのでは。」と混同して考えてしまっている方が多いのですが、実は工事の目的はそれぞれ異なります。以下で簡単にご紹介しておきますので、覚えておきましょう。

  • 修繕工事とは
    建物において、現状で壊れている箇所、壊れそうになっている箇所、絶対に壊れてはいけない場所など、定期的(計画的)に直すことが必要な部分について、修理や取り換えなどの処置を行って、その性能や機能が問題なく使用できる状態に復元することです。
  • 改修工事とは
    建物の修理や修復にとどまらず、機能の向上などを目指してアップグレードさせる工事を指します。分かりやすく言えば、エレベーターが無い建物に取り付ける、バリアフリー化するなどといった感じで、現状の建物に新たな機能を追加して付加価値をつけるイメージです。

このように、修繕工事と改修工事はその目的が異なります。例えば、建て付けが悪くなってきたドアを、開閉しやすいように直すのが修繕工事で、自動ドアなどにしてより利便性を高くするのが改修工事といった理解で間違ありません。

建物が出す劣化サイン

それでは最後に、普段からチェックしておきたい建物の劣化サインをご紹介していきます。倉庫などの建物の劣化に関しては、「そろそろ修繕工事が必要なのかな?」と考え始めてからチェックする方が多いのですが、普段から定期的にチェックするように習慣づけておきましょう。
早い段階で劣化サインに気付くことができれば、部分的な修繕工事で対応することも可能ですが、気付くのが遅れてしまうと、大規模な修繕工事が必要になり莫大なコストがかかってしまう可能性が高いからです。

  • 外壁の劣化サイン(塗装の膨れ・剥がれなど)
    外壁塗装が剥がれてしまうと、その部分から雨水が侵入してしまいます。定期的に外壁を確認し、塗膜の膨れや剥がれが生じていないか確認しましょう。
  • 外壁の劣化サイン(チョーキング)
    これも外壁塗装の塗膜が劣化しているサインです。チョーキングは、壁に手を触れると、チョークの粉のような物が手についてしまうことを指します。この状態の外壁は、雨水を吸収しやすい状態になっていますので、放置するとカビやコケの繁殖を招き、外壁材自体のさらなる劣化に繋がります。
  • 外壁・屋上の劣化サイン(クラック)
    外壁や屋上の床部分などにクラック(ひび割れ)が生じている場合、修繕のサインだと考えましょう。クラックの太さや深さなどで必要な修繕方法が変わります。症状の深刻度については、専門業者以外が判断することは難しいため、できるだけ早く専門業者に相談しましょう。
  • 外壁・その他の劣化サイン(サビ)
    建物にはさまざまな金属が使用されています。そして経年劣化でサビが生じてしまいます。サビを放置すると、その部分が腐食して穴が開いてしまう…なんてことが考えられますので、早急に対処しましょう。対処が早ければ、塗装で対応可能な場合もあります。
  • 外壁・その他の劣化サイン(コーキングの劣化)
    外壁材の目地部分や窓枠・ドア枠などにはコーキングが施工されています。そしてこのコーキングは、紫外線などの影響で確実に劣化してしまいます。劣化を放置してしまうと、コーキングが痩せていき、割れが生じます。コーキングは徐々に伸縮性や防水性が失われますので、定期的な修繕を行わなければ雨漏りの原因となります。
  • 屋根
    屋根は、高所となりますので、自分たちでチェックすることはなかなか難しいです。しかし建物を長く良い状態で維持するためには、定期的な点検とメンテナンスを欠かすことはできません。屋根の劣化は、外壁同様に建物内部にさまざまな悪影響を及ぼします。自分たちで劣化状況の点検が難しい場合、信頼できる専門業者に定期的に点検してもらうような体制を作ることをおすすめします。例えば、屋根に断熱塗装などを施している場合、塗装の劣化で空調効率が悪くなったりしますし、雨漏りが発生してしまうと、商品や設備が破損して莫大な被害につながってしまう恐れがあります。

倉庫など、どのような建物でも、上記のような劣化サインを建物自体が出してくれます。普段からこういった劣化ポイントを注意深く確認しておくことで、大規模修繕工事が必要になる前に対処することができるようになり、低コストで建物を維持できるようになるはずです。

倉庫に関わらず、どのような建物でも、そこに建っているだけで徐々に劣化している…ということを理解して、問題が大きくなる前に対処できるような体制を作りましょう。

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この記事の著者

著者 : 辻中 敏

辻中 敏 常務取締役 大阪本店長
1990年三和建設株式会社 入社、2021年同社 専務取締役就任

改修工事は新築以上に経験が求められます。これまでの実績で培ったノウハウを惜しみなく発揮いたします。 特に居ながら改修については創業以来、大手企業様をはじめ数多くの実績があり評価をいただいています。工事だけではなく提案段階からプロジェクトを進める全てのフローにおいて、誠実にお客さまに寄り添った対応を行い、 安全で安心いただける価値を提供いたします。

施工管理歴15年、1級建築施工管理技士、建築仕上げ改修施工管理技術者

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