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工場倉庫の防水工事を依頼する前に確認しておきたいポイント

2021年 RENOVATION

工場倉庫の防水工事を依頼する前に確認しておきたいポイント

今回は、工場や倉庫のメンテナンスとして、屋根や屋上などの防水工事を依頼する前に、依頼者側が確認しておきたいポイントをご紹介していきたいと思います。

工場や倉庫などでは屋根面が平らで屋上として活用できる『陸屋根』が採用される事が多いです。近年では、一般の戸建て住宅でも陸屋根の人気が高くなっているのですが、この屋根形状は定期的な屋上防水工事をしなければ、雨漏りを引き起こしてしまうリスクが高いと言われています。したがって、陸屋根を採用している工場や倉庫でも、定期的な屋根の点検とメンテナンスは欠かさずに行っていかなければいけません。

しかし、工場や倉庫の屋根となると、非常に面積が大きくなってしまうことから、防水工事にかかる費用が高額になってしまいます。また、一口に防水工事と言っても、いくつかの工法が存在しており、屋根の形状や屋上に存在する設備、劣化状況などによって採用すべき工法が変わってきてしまいます。 そこでこの記事では、工場や倉庫のメンテナンスとして屋上防水工事を検討した場合、適切な工法を選択するためにおさえておきたいポイントをご紹介していきます。

 

 

屋上防水工事を依頼する前に確認しておくべきポイントとは?

工場や倉庫などにおける防水メンテナンスでは、屋上部分にさまざまな設備が存在することが工事を難しくしてしまうと考えなければいけません。新築時であれば、特に気にする必要はないのですが、メンテナンス時であれば、屋上に空調設備や排煙設備など、工事の障害物になる設備が設置されている場合がほとんどです。

工場や倉庫の防水工事にはどんな種類がある?それぞれの特徴をご説明」でもご紹介していますが、防水工事の工法によっては、こういった屋上に存在する障害物が邪魔となり、選択することができない場合が考えられます。したがって、防水メンテナンスを行う前には、屋上部分に設置されている設備などを確認し、工法や防水材の選定をしなければならないと考えておきましょう。 他にもいくつか確認しておきたいポイントが存在しますので、以下でまとめておきます。

 

 

 

 

確認すべきポイントについて

それでは、屋上防水工事を依頼する前に確認しておきたいチェックポイントをご紹介しておきます。

 

 

 

 

  • 屋上配管について 水や空気を循環させる目的で屋上に配管が設置されている工場や倉庫は多いです。そして、この配管を固定している部分が経年劣化で腐食してしまい、漏水の原因になることがあります。サビやひび割れなど、目に見える劣化が無いか確認しておきましょう。
  • パラペット※1の立ち上がりや笠木※2の浮き 陸屋根の端部にはパラペットがあります。そしてパラペットのつなぎ目部分などは、非常に雨漏りしやすいポイントですので確認しておきましょう。また、躯体部分の保護を目的に上部には笠木が取り付けられていますが、経年劣化で笠木の浮きが生じてしまうと雨漏りにつながります。こういった部分の補修も必要か確認するため、チェックしておきましょう。
  • 排水ドレイン※3周辺を確認 屋上に落ちた雨水などを排水するために設置されているのがドレンです。陸屋根は「フラット屋根」などとも呼ばれますが、屋根面は完全にフラットになっているわけではなく、排水のために緩い勾配がつけられています。したがって、屋根の上のゴミなども排水ドレイン周辺に溜まってしまうことになります。排水ドレインにゴミが溜まってしまうと、排水機能を果たせなくなりますので、定期的な点検・清掃が重要です。また、排水ドレイン周囲の防水層に切れ目が生じてしまうことも雨漏り原因として多いので、慎重に確認しておきましょう。
  • 屋上設備の架台周辺を確認 工場や倉庫の屋上には空調設備や貯水タンクなどが設置されている場合があります。なお、こういった屋上にある設備は直接屋根に置かれているわけではなく、架台などで固定されているはずです。防水工事を進める場合、工法によっては一時的にその架台を撤去する必要がありますので、現状を確認してください。
  • 現状の防水の種類を確認 現状はどのような種類の防水がなされているのか、また耐用年数はどの程度残っているのかも確認しましょう。以前、防水メンテナンスを行った時の仕様書や工事内訳書が残っている場合は、どういった防水メンテナンスを行えば良いかのヒントになると思います。
  • 現状の防水箇所の不具合を確認 屋根は、常に紫外線や風雨の影響を受け続ける場所ですので、建物の中で最も劣化が早い場所と考えましょう。屋上の防水層に関しても、夏場の強い紫外線や冬場の低温など、非常に厳しい環境にさらされ続けますので、徐々に劣化が進行してしまうものです。したがって、耐用年数が近づいてくると、防水層に切れや剥がれが生じ始めてしまいます。定期的に、既存防水の状態をチェックし、適切なタイミングで工事が行えるようにするのがオススメです。

 

 

 

 

MEMO
※1パラペットとは?
パラペットは、左画像のようにな「屋上や、ベランダ・橋梁・埠頭などの端部に設けられた低い手すり壁」のことを指しています。パラペットの主目的は、この部分で雨水をせき止め排水することで外壁の保護をすることや、転落防止となります。

 

 

MEMO
※2笠木とは?
もともと神社の鳥居などの上縁に、横に渡す木(冠木)の事でしたが、現在の建築業界では、パラペットなどの頂上部分に施工する仕上げ材の事を指しています。笠木は、雨水の影響などによって躯体が腐食してしまうのを防ぐことが主目的となっています。
MEMO
※3排水ドレインとは?
排水ドレインは、屋上の水を適切に排水するための排水口部分の事で、「ルーフドレイン」などとも呼ばれます。排水ドレインの主目的は、防水面で受けた雨水を集水し、樋へと流すことです。

まとめ

今回は、工場や倉庫における屋上防水工事について、工事を依頼する前に確認しておきたいポイントについてご紹介しました。陸屋根を採用している工場や倉庫であれば、雨漏りをさせないために定期的な防水メンテナンスが必要になります。
ただし、屋上の防水メンテナンスにもいくつかの工法が存在しており、どの工法を選択するのかによって工事にかかるコストや得られる防水機能が変わってきます。工場や倉庫の屋上となると、配管が通っていたり、さまざまな設備が設置されていたりするのが普通ですが、こういった障害物がネックとなり、特定の工法が選べなかったり、余計な作業(設備の取り外しなど)が発生してメンテナンスコストが高くなってしまうことも考えられます。
防水工事を依頼する前には、現状の屋根の状態などもしっかりとチェックしたうえで、コストだけではなく適切な提案をしてくれる会社選びをしてください。
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この記事の著者

著者 : 辻中 敏

辻中 敏 常務取締役 大阪本店長
1990年三和建設株式会社 入社、2021年同社 専務取締役就任

改修工事は新築以上に経験が求められます。これまでの実績で培ったノウハウを惜しみなく発揮いたします。 特に居ながら改修については創業以来、大手企業様をはじめ数多くの実績があり評価をいただいています。工事だけではなく提案段階からプロジェクトを進める全てのフローにおいて、誠実にお客さまに寄り添った対応を行い、 安全で安心いただける価値を提供いたします。

施工管理歴15年、1級建築施工管理技士、建築仕上げ改修施工管理技術者

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