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工場設備が老朽化!更新・改修の判断のポイント

2023年 RENOVATION

工場設備が老朽化!更新・改修の判断のポイント

老朽化

 

さまざまな製品を製造する工場では、安定的な生産活動を維持するため、機械・設備の故障を未然に防ぎ、工場の稼働をとめないことが重要です。しかし、どのような機械・設備も、メンテナンスを欠かさずに使用していたとしても、経年による老朽化が避けられず、いずれ故障や生産性の低下、不良品の発生などのトラブルを引き起こしかねません。

 

そこで当記事では、工場などにおいて、安定して機械・設備を稼働させるためにおさえておきたいポイントを解説します。

 

工場で使用する機械・設備は、定期的な点検や保守、修理や適切なタイミングでの設備更新が非常に重要です。工場設備の老朽化を見抜くポイントを押さえておきましょう。

 

工場設備老朽化による悪影響とは?

工場設備の更新には、多額のコストがかかることから、機械・設備の老朽化を認識していたとしても、しばらくそのまま稼働させるという施設も見受けられます。

 

しかし、老朽化した工場設備の使用は、さまざまな面でリスクがあります。ここでは、老朽化した工場設備を稼働させることによるリスクを簡単にご紹介します。

 

生産性が低下するリスクがある

工場設備の老朽化は、生産性の低下を引き起こすリスクがあります。生産性の低下は、主に以下のような事が要因で引き起こされます。

 

  • 設備の不具合などにより、生産時間にロスが生じる
  • 細かな修繕が必要になり、時間的、人的ロスが生じる
  • 不良品の発生リスクがある

 

工場設備の老朽化が目立ってくると、細かな部品交換や修理が頻繁に必要になり、本来は『製造』に充てられる時間をロスする可能性が生じます。また、機械・設備の不具合を原因として、不良品が発生するリスクが高くなるため、製品の検品に余分な時間や人件費がかかる可能性もあります。

 

労働災害の発生リスクが高くなる

工場設備の老朽化を認識しながら、設備の更新をせずに稼働させた場合、設備の故障を起因とする労働災害の発生リスクが高くなります。

 

実際に、製造現場では、老朽化した機械・設備の利用により従業員の「はさまれ」「巻き込み」と言った事故が起きる可能性も考えられます。また、漏電や設備から生じる火花が原因となる火災などの発生も考えられるでしょう。

 

修理困難により生産がストップする

どのような機械・設備でも、導入から10年以上が経過すると、モデルチェンジなどが原因で交換部品の入手が困難になるケースがあります。メーカー側も、交換用部品を永遠に供給してくれるわけではなく、新たなモデルが登場すれば、旧モデルの交換部品の供給が終了する場合が多いです。そのため、設備が故障して修理したくても、交換部品を入手することができず、一時的に工場の稼働がストップするリスクが生じます。

 

「既存設備の修理ができない」と分かった時点から設備の更新を検討し始めるとなると、生産活動が一定期間停止することになり、企業の信用まで失う恐れがあるでしょう。

 

適切なタイミングで設備更新をするためのポイント

工場で使用する生産設備に限らず、どのような機械・設備であっても経年による老朽化は避けられません。しかし、工場で使用する機械・設備に関しては、「故障してから更新する」と言った対処では、一時的に生産がストップすることになるため、とても適切な更新タイミングとは言えないでしょう。

 

したがって、安定的な生産を維持するためには、工場内で使用する機械・設備の老朽化をいち早く発見し、適切なタイミングで設備の更新・改修が行えるようにする必要があります。なお、機械・設備の老朽化にいち早く気付くためには、普段から設備の状態を把握し、それを記録していくことが大切です。

 

日々の設備の状態や故障、部品交換の頻度などを記録し、分析することで「同じ個所が頻繁に故障している」「部品交換の頻度が高くなっている」という情報が得られ、設備の老朽化を発見することができます。

 

特に以下の点は普段からチェック、記録していきましょう。

 

設備の状態を把握するためのポイント

工場設備の老朽化を発見するためには、以下のポイントを点検、記録していきましょう。

 

  • 環境が影響する部品の劣化
    工場設備は、設置環境の影響を受けて劣化が進行します。金属ネジの錆やパッキン、シール材の腐食などが生じていないかが、日常的な点検ポイントになります。パッキンなどの消耗部品は、定期的に交換する必要があるのですが、メーカー指定の交換サイクルより「早い頻度で交換が必要」「特定の部分だけ交換の頻度が高い」という状況になると、老朽化の可能性が高いです。

 

  • 設備の稼働による劣化(摩耗)
    同じ設備を長期間使用すれば、さまざまな部品が摩耗していきます。特に、チェーンやベルトなど、摺動する部分は慎重に点検を行う必要があります。点検記録から、設備の機械性能が低下している、本来の能力よりも性能が低下しているとみられる場合、設備の老朽化が考えられます。

 

  • 工場設備の疲労破壊
    工場設備の中には、何度も繰り返し荷重を受ける箇所があり、その部品はいずれ疲労破壊を起こします。部品同士が押し付けられる、衝突するといった箇所が疲労破壊の可能性がある部分で点検ポイントになります。点検記録から、機械精度が低下している、がたつきが大きくなっているといった症状がみられる場合、設備が老朽化している可能性が高いです。

 

故障の記録もとっておく

工場設備の老朽化にいち早く気付くためには、設備の故障履歴をきちんと記録していくことが大切です。故障履歴を記録しておけば、「いつ」「どの部品が」「どのような故障を起こしたか」を正確に把握することができます。なお、故障履歴を残すときには、故障個所やその原因だけでなく、復旧にかかった時間や人員なども記録しておきましょう。

 

故障履歴を分析し、「同じ個所が何度も故障している」「故障頻度が早くなっている」と判断できた時には、設備が老朽化していると言えます。

 

適切なタイミングで工場設備の更新・改修を行うことのメリット

それでは最後に、老朽化した工場設備について、完全に故障する前に適切なタイミングで更新・改修することで得られるメリットを解説します。工場で使用する大型の生産設備などは、多額のコストをかけて設置しているはずですので「できるだけ長く同じ設備を使いたい!」と考えるはずです。

 

しかし、老朽化した設備を適切なタイミングで更新・改修を行うことで、以下のようなメリットが得られます。

 

  • 機械性能が向上する
    老朽化した工場設備を更新することで、機械性能が向上します。最新の設備を利用することができるので、設備更新前と比較して、生産速度や精度を向上させることができます。

 

  • 生産性の向上
    老朽化した設備を最新の物に更新することで、生産性の向上が期待できます。設備の老朽化を原因としたトラブルは減少し、修理や不良品の検品などにかかっていた余計なコストも削減できるでしょう。

 

適切なタイミングで工場設備の更新を行うことで、工場の機能そのものを向上させることが可能です。

 

逆に、工場設備の老朽化を見て見ぬふりをしていた場合、思わぬタイミングで設備が故障し、生産が一時的にストップするリスクが生じます。設備の入れ替えが完了するまで製造活動を停止することになり、新しく導入する設備を余裕をもって比較検討する時間もなく、自社に最適な設備を選べない可能性も生じます。

 

まとめ

今回は、工場の生産活動を支えている工場設備の老朽化について解説しました。どのような機械・設備でも、日々の生産活動に使用することで、さまざまな部分に負担がかかっています。もちろん、生産活動に支障が出ないよう、日々のメンテナンスや専門業者による定期的な点検は、どの施設も欠かさずに行っていることでしょう。

 

しかし、工場で使用する大型の設備などは、導入に多額のコストがかかることから、老朽化を認識しながらも設備の更新を後回しにするケースが多いように思えます。今回ご紹介したような機器を回避するためにも、適切なタイミングで更新・改修ができるような体制を作りましょう。

この記事の著者

著者 : 辻中 敏

辻中 敏 常務取締役 大阪本店長
1990年三和建設株式会社 入社、2021年同社 専務取締役就任

改修工事は新築以上に経験が求められます。これまでの実績で培ったノウハウを惜しみなく発揮いたします。 特に居ながら改修については創業以来、大手企業様をはじめ数多くの実績があり評価をいただいています。工事だけではなく提案段階からプロジェクトを進める全てのフローにおいて、誠実にお客さまに寄り添った対応を行い、 安全で安心いただける価値を提供いたします。

施工管理歴15年、1級建築施工管理技士、建築仕上げ改修施工管理技術者

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