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工場、倉庫の外壁調査の必要性と調査項目を解説

2023年 RENOVATION

工場、倉庫の外壁調査の必要性と調査項目を解説

工場、倉庫の外壁調査

 

工場や倉庫は、築年数の経過とともに、さまざまな部分が老朽化します。特に、風雨や紫外線の影響を受け続ける外壁は、劣化が進行しやすいため日頃のメンテナンスが重要です。
そこで当記事では、工場や倉庫の外壁について、外壁調査の必要性やどのような調査が行われるのかを解説します。

 

外壁調査の必要性について

それではまず、外壁調査の必要性について解説します。定期的な外壁調査は、その時点での外壁の状態を把握し、外壁塗装などのメンテナンスが必要なのかを判断するために行われています。外壁に施されている塗装は、紫外線や風雨の影響で、徐々に劣化し、適切なメンテナンスを行わなかった時には、塗装剥がれや膨れを起こし、雨漏りの原因ともなります。

 

定期的な外壁調査は、外壁の劣化を早期に発見することができますので、適切なメンテナンスを施すことができるようになります。それでは、外壁調査を行わず、メンテナンスを怠った場合、どのような問題に発展するのかもご紹介します。

 

外壁調査の調査項目とは

それでは、工場や倉庫において、適切なタイミングでメンテナンス・改修工事を行うため、どのような調査を行うべきなのかについても、いくつか具体例をご紹介します。外壁の劣化は、色が褪せてきた、コケが生えているなど、一般の方でも一目で問題が生じていると判断できるような劣化もあります。それでは、専門会社は、どういった方法で調査を行っているのでしょうか?

 

以下で、調査を行う目的と具体的な手法をいくつかご紹介します。

 

外壁表面の防水性を調査する項目

外壁表面は、紫外線や排ガスなどの影響によって、日々劣化が進行していきます。劣化した外壁表面は、防水性が損なわれてしまいますので、外壁材に雨水が直接染み込みます。そして、断熱材への漏水や、外壁材のひび割れ、反りなどの問題を引き起こす可能性があります。

 

外壁表面の防水性については、以下のような調査が行われます。

 

  • チョーキング診断
    手に手袋をはめ、外壁表面に手袋を擦り付け、チョーキング現象の有無を確認します。手袋表面に、顔料の粉が付着すれば、塗膜の機能が失われていることがわかります。一般的に、再塗装工事のサインとされています。
  • 塗膜劣化の診断
    外壁表面の微細な劣化を10倍ルーペなどを用いて撮影します。外壁表面に藻やコケが発生している場合、吸水が早まっている証拠です。また、微細な欠けやピンホールが確認できる場合、雨水の通り道ができていると判断できます。

 

外壁材の防水性を調査する項目

外壁材によっては、地震、壁材自体の伸縮により、ひび割れなどが生じる場合があります。外壁材のひび割れは、雨水の侵入口になるので、漏水の危険性があります。適切なタイミングでメンテナンスを行うため、以下のような調査が行われます。

 

  • 外壁のひび割れ診断
    ひび割れの診断は、クラックスケール・巻尺を使用します。クラックスケールでひびの幅や深さを測定し、巻尺でひびの長さを測定します。一般的に、幅0.3mm以上のひび割れは「構造クラック」と呼ばれ、構造にも影響するとされています。
    したがって、このレベルのひび割れが発見できた場合、早期のメンテナンスが必要と判断されます。

 

シーリング材の調査

シーリング材は、サイディング壁の継ぎ目や窓枠、ドア枠に生じる隙間に充填される伸縮性のある部材です。これは、壁材などが熱膨張などにより伸縮をする際、シーリング材が緩衝材の役割を果たすために施工されています。シーリング材は、経年劣化により硬化が進み、伸縮性が損なわれていきますので、メンテナンスを怠った場合、シーリング部分に隙間が生じ漏水を引き起こす可能性があります。また、緩衝材としての役割を果たせなくなるので、壁材のひび割れなども引き起こします。

 

したがって、シーリングの状態を確認するため、以下のような調査が行われます。

 

  • シーリングの診断
    下地探し出し器を利用して、シーリングの深さを測定します。また、スケールなどを使って、シーリングの幅を測定します。シーリングは、「幅8mm以上、深さ5mm以上」が適正とされていますので、これに満たない状態になっていれば、メンテナンスが必要と判断します。

 

壁面の浮きを調査する項目

外壁タイル及びモルタルの「浮き」を放置した場合、いずれ剥離を起こし、落下する危険性があります。通行人に落下した壁材が衝突するなど、大事故に発展する恐れがあります。したがって、以下のような調査を行う必要があります。

 

  • 打診棒による診断
    打診棒で、壁面を軽く叩いて音を確認する調査方法です。浮きが生じている場所は音が異なるので、問題があると判断できます。
  • サーモグラフィによる診断
    サーモグラフィで、壁表面の温度を読み取ることで浮きの有無、発生場所を特定します。壁面に浮きが生じている場合、空気層により外壁の表面温度が高くなるので、浮きの場所を特定できます。
    関連記事:工場・倉庫の外壁リフォームにかかる費用を工法別に解説

 

まとめ

今回は、工場や倉庫の外壁調査について、なぜ外壁調査が必要なのか、またどのような項目の調査を行うべきなのかについて解説しました。

 

外壁調査は、建物の劣化状況を正確に把握するために行うもので、定期的に調査を行うことで、劣化を早期に発見し適切なメンテナンスを施すことができます。工場や倉庫は、最新設備の導入や新たな人材の確保など、さまざまな部分に経費をかけなければいけないため、建物のメンテナンスが遅れがちです。しかし、外壁などのメンテナンスが遅れてしまうと、外壁からの雨漏りが発生し、メンテナンスにかけるコスト以上の損失が生じてしまう恐れがあります。

 

建物を長く良い状態で維持するために、今回ご紹介した「調査項目」を参考に、自社の状態を今一度確認してみてはいかがでしょうか。

 

三和建設では、事業主様の課題や目的に応じて無駄のないご提案を得意としています。

 

「自社の工場・倉庫の改修を行う場合はどのような注意点があるのか」「改修にどれぐらいの費用と時間がかかるのか」などのご相談がございましたら、お電話やお問い合わせフォームからお問い合わせください。

 

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この記事の著者

著者 : 辻中 敏

辻中 敏 常務取締役 大阪本店長
1990年三和建設株式会社 入社、2021年同社 専務取締役就任

改修工事は新築以上に経験が求められます。これまでの実績で培ったノウハウを惜しみなく発揮いたします。 特に居ながら改修については創業以来、大手企業様をはじめ数多くの実績があり評価をいただいています。工事だけではなく提案段階からプロジェクトを進める全てのフローにおいて、誠実にお客さまに寄り添った対応を行い、 安全で安心いただける価値を提供いたします。

施工管理歴15年、1級建築施工管理技士、建築仕上げ改修施工管理技術者

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