コンクリートの乾燥収縮率試験について
コンクリートはセメント・水・細骨材・粗骨材・混和材料で構成される。これらを一定の割合で練り混ぜ、まだ固まっていない状態をいわゆる"生コン"という。生コンは工場で製造され、現場に搬入される。そして、現場であらかじめ組立てられた型枠内に同じくあらかじめ組立てられた鉄筋とともに充填される。生コン中のセメントは徐々に水和反応し、コンクリートとしての硬化が始まる。そしてセメントの水和反応が完了した時点で完全なコンクリートになる。
上記の過程でコンクリート中にはセメントと反応していない余剰水分が残る。これらの余剰水分が外部に逸散し、コンクリートとして収縮する現象を"乾燥収縮"という。ここで骨材は、セメントペースト(セメント+水)の収縮に対する抵抗体として機能する。よって、骨材のヤング係数(変形率)はコンクリートの乾燥収縮率に大きな影響を及ぼす。
2009年2月にJASS5(鉄筋コンクリート工事標準仕様書)が改定され、乾燥収縮率の目標値が新たに示された。JASS5では、計画供用期間に対応して短期・標準・長期・超長期と4段階のランクを定めており、このうち長期と超長期のランクについては、乾燥収縮率を800×10-6以下となるよう規定している。ちなみに最高ランクの超長期は供用期間200年を想定している。
上記を踏まえて、三和建設が国交省の長期優良住宅モデル事業に申請して採択されたあるマンション物件で乾燥収縮率試験用の供試体を採取した。供試体の寸法は100×100×400(mm)でカステラより大きな長方体である。試験は公的な試験機関である(財)日本建築総合試験所で行われる。正式な結果は、半年後に判明するが、現時点での中間測定結果では基準値以下となりそうである。
スケルトン・インフィルで長期住宅の供給を目指す三和建設としては、乾燥収縮を抑えることは大きなテーマであり、実績とデータを蓄積することは必須である。
- 2009年9月 7日
景気の低迷、古都の雨
少し前のことだが、京都でラジオNIKKEI社と共催でセミナーを開催した。
ラジオNIKKEI社がラジオや日経新聞や京都新聞などにセミナーを告知しているのである程度の人数はお見えになるだろうと考えていたが、実際お見えになるまで不安なものだ。
当日はあいにく雨模様。開場時刻が迫るにつれ関係者の顔つきが曇り始めてくる。京都市内からお見えいただけるなら丁度御自宅を出ようとされている頃だからだ。
降っている雨の量は半端ではない。
「行こうかな」と決めていただいていた方も、この雨の中、出かけて行くのは怯んでしまう程の雨だ。
傘立てを増設する段取りをするように指示が飛んだ。
受付も着々と準備が重ねられている。
メイン会場もバッチリとキマってる!あとは開場を待つだけだ。
定員は120名。
開始時刻を少しだけ過ぎたころ、開場はほぼ満席となった。
第2部では、私共三和建設株式会社社長の森本尚孝が長期優良住宅と資産設計と題したパネルディスカッションを行った。
第3部では東京大学大学院 伊藤元重教授の講演を頂戴した。
景気低迷の厳しい環境の中、不動産のベストな活用を探し求めて、京都の地主様方は熱心にディスカッションや講演に参画されていた。
そう、激しい雨にもかかわわらず。ただ ひたすらに。。
セミナーの満員よりも熱心な地主様達との空間を共有できたことに喜びを感じた。
森本行則
- 2009年9月 3日
住まい手が生かす建物
半年ほど前に、当社で施工し竣工したRC造の邸宅
先日 そこでのバーベキューにお招きいただいた。
思えば数年前からご自宅新築のご計画をお聞きし、プランニングから関わらせていただいてきた。
オーナーはプランニングの際「新居では屋上を使えるようにしたい。そこでバーベキューなんかをすれば気持ちいいだろうな。夏には屋上から猪名川の花火大会もバッチリ見えると思うんだ。」と仰っておられた。
勿論、それらは設計に組み込まれ建物は完成した。
眺めや、通る風が大変気持ちのいい屋上のスペース。
数日前から天気予報とにらめっこするが、まだ梅雨明け前の関西地方。
残念ながら雨予報は同日まで覆ることはなかった。
当日は曇り。雨までは降らないかなぁといった空模様。
でも途中で降ってきてしまう可能性はゼロではないということで、1階のインナーガレージを会場にしようということになった。
バーベキューコンロはガレージ前のちょっとした庇の部分に据えられた。
ガレージは車を停める場所。私にはそれ以外の用途(バーベキュー会場にする)で使うことなど思いつかなかったが、オーナーは住みはじめた当初からその構想はあったらしい。
ガレージでのバーベキューはオーナーの思惑通り実に快適で、本当に楽しい一時だった。
屋根壁のある半屋内空間は適度に区画されているのでメンバーに一体感が生まれ会話がはずんだ。高密度コンクリートで施工した壁の適度にひんやりとした感じも清涼感を増した。
間口の広いシャッターが全開放され適度に屋外に居る雰囲気も味わえる。
この家の設計は荒谷省午さんによるものだが、荒谷さんは常々、"建築はただの器だ。その器を使う人、住宅であれば住まい手によってその器は生かされる。"と仰っている。
今回のガレージバーベキューは"想定外の使い方"な筈だ。
ところが全く違和感無く、使いこなされているわけだ。
あたかももともとそのつもりの設計であったかのように。
このオーナーは設計者の言葉以上に住宅を生かしておられる。
だから招かれた我々も大変居心地がいい。施工者にとってもこれほど嬉しいことは無い。
次回は、いよいよ"想定(期待)している使い方"の猪名川花火大会だ。
きっと期待以上の居心地になるはずだ。
なぜならオーナーに生かされ、愛されているこの建物が今度はオーナに恩返しをする番だから。
森本 行則
- 2009年7月27日
