工事中にゼネコンが倒産したら・・・

車で通りがかりに撮った写真なのでうまく映っていないが、躯体工事中なのに外部足場がなく、次のフロアの躯体工事の様子がむき出しになっている。
場所は中国やベトナムではなく日本である。
したがって、この工事現場は普通の状態ではない。
考えられる仮説は次の通りである。
「躯体工事中に工事を請け負っていたゼネコンが倒産した。工事請負契約やゼネコンの法的処理手続きの中で、外部足場が工事現場から撤収されたが、次のフロアの鉄筋や型枠材はそのまま現場に残されている。」
三和建設では、これまで工事中に他のゼネコンが倒産した仕掛り工事を承継して請け負い完成させて施主に引き渡した実績がいくつかある。
発注したゼネコンが工事の途中で倒産した経験をした施主は多くない。当然のことであろう。そうそうあっては困ることだからだ。
そもそも倒産しないゼネコンに発注しないことが一番だが、それでも万一このような不測の事態が生じた場合は対応が大変難しい。
施主の立場においては、すでに支払っている工事代金や仕掛かり工事(半製品)の権利関係を法的に整理して解決していくことが求められ、当然弁護士に相談して事を進めるべきであろう。
ここでは、新たに他のゼネコンが工事を承継する場合のポイントを説明する。
ここでAという工事の途中にBというゼネコンが倒産して、新たにCというゼネコンがこの工事を承継することになったとしよう。
BがA工事の途中まで実施した出来形部分(仕掛かり工事)を「本件建前」、A工事完成のためにCが新たに請け負う工事を「本件新工事」と呼ぶことにする。
本件新工事が、C社と施主との新たな工事請負契約となり、その契約書に盛り込む内容を決める際に問題なるのが主に次のような点である。
①本件建前の出来高の評価
②本件建前の出来形および出来栄え(見える品質)評価
③本件建前の瑕疵(隠れたる品質上の問題)の責任
④本件建前の瑕疵(隠れたる品質上の問題)に起因する本件新工事の品質などに対する責任
⑤本件新工事へのプロセス(打合せ実績や現場に納品されていない発注済製品)に対する評価
⑥本件建前に伴う仮設資機材の権利
課題はこれ以外にもいろいろある。
個別の内容に関してここで詳述することは避けるが、いずれにしても、本件新工事を承継するのはこういうことに慣れたゼネコンでないと後々に新たな問題を引き起こすことになる。
森本 尚孝
- 2010年5月31日
商材の価格
先日、いま三和建設が建設しているマンションのオーナーが経営する料理店にお邪魔した。
「京料理直心庵さいき」という。
http://www.kyoto-saiki.com/
ちなみに建設中のマンションは、京都・北山にあり1ルームの賃貸マンションだ。
近くに京都産業大学や仏教大学などがあり、学生にとっても単身の社会人にとっても魅力的な立地で来月には竣工を迎える。
マンションの建設地は、オーナーがもともと京懐石料理店を昭和7年から経営されていた場所で、このたび祇園下河原に店を移して新たにオープンされたというわけだ。
北山時代から生け捕り(建物の一部をそのまま撤去してまた別の場所に使うこと)された白木のカウンターに座らせていただいた。
年始の忙しい時期にも関わらず、手際良く京料理が運ばれてくる。
贅沢ともいえる料理はいずれも絶品だった。
御主人(オーナー)も気さくな方で、会話がはずむカウンターは居心地がよい。
新たにオープンされた店は、元々旅館をされていたのを店に改造された。
店の改造工事は三和建設ではなく別の工務店だったが、センスのよいデザインで仕上がりも実によかった。我々にとっても非常に勉強になる事が多い。

実は、新店舗の工事中に衛生陶器(洗面器や便器)だけ三和建設で納品して欲しいとの依頼があった。

私 :「納品だけしましたが、設置は施工会社さんがされたのですね?」
主人:「そうです。工務店さんの見積で衛生陶器だけ高かったので、普段購入される量が多い三和建設さんのほう安くなるのではと思ったのです。案の定、三和さんの方が安かったので納品だけしてもらった訳ですよ。」
なかなかの商売人だ。日頃、材料等の仕入れから出てきた発想なのか、流通というものを良く理解されていると感じた。
結果的に確かに安価で済んだらしい(1割程度か)。
このことは、一般的には理解を得にくいかもしれない。
調達量や調達経路によってモノの価格は変わるのである。
これが流通の奥の深いところでもある。
メーカーより代理店の方が安価であったり、代理店より施工店のほうが安価であったり・・・。
そこには、それぞれでの経営判断や営業判断、在庫状況などが入り混じるからだ。
難しくもあり、面白い現実だ。
改めて、「顧客にベストプライスで提供する」という我々のミッションを考えさせられた有意義な一時となった・・・。
辻中 敏
- 2010年2月17日
工事金額と時期
見積書価格は時期によって違う。
建築工事にかかる費用は見積を依頼する時期および工事をする時期によって変わるが、このことは必ずしも一般的な理解を得にくい。
大手ハウスメーカーなどは、ある程度の固定した価格にて提供してくれるが、それでも社内における現実のコストは変わる(一部固定されているところはあるが)。
市場動向、労働力の調達事情、施工場所、施工時期等、様々な条件によって、調達できる価格も日々変動していく。
特に取引会社や製造メーカーが忙しい時期(繁忙時期)での調達は需要が多いため安価での提供を拒む傾向にある。他社向けには高価で取引できるからだ。
逆に全く需要が無い時期には、ダンピングとも思われる予想もできない価格にて提供して頂けることもある。
三和建設は「常に顧客に代わってベストプライスで建物をつくる義務がある」を常に意識し、日々ベストな注文時期の設定や価格交渉を検討している。
とはいえ、お客様の要望される納期がこのようなコストの適時性によって決まることは少ない。
例えば、賃貸マンションを建設しようと考えた時には、多くの場合、入居時期をにらんだ2月~3月の竣工が求められる。
そのため最後にかかる仕上げ工事の内装工事は1月~2月に集中する。つまり、この時期内装工事をさせると需給関係で低額な発注ができない。
調達の現場から考えると、繁忙時期をさけた価格が安価になるのである。
服のバーゲンセールのようにはいかないが、ニーズが集中するときは価格も下げにくいという点では似ている。
辻中 敏
- 2009年12月16日
工事費の見積書ってわかりにくい?
工事費の見積書はわかりにくいとの指摘がよくある。
自動車などいわゆる完成品の見積書には、商品に価格だけが載っており、製造コストや経費の内訳など当然ない。
購入する消費者にとって、一般的な商品価格のほうがよほど不透明だ。
でもそのことに文句をいう人はいない。
消費者は買う前に価格で買うかどうかを判断する権利があるからだ。
とはいえ、工事に関わる費用は巨額だし、完成するまで成果品が確認できないため、見積書に透明性が求められることは疑いがない。
もっとも、透明性がないこと=ゼネコンが不当に過大な利益を得ているというわけではない。
工事費の不透明性がかえって建設会社自身の経営を圧迫しているという面もあるのだ。
仮設ってなに?
諸経費ってなに?
わかりにくい工事費の中身を、わかりやすく解説していこう思います。
辻中 敏
- 2009年8月 7日
直段の章について
- 2009年6月23日
