アーケードと建築

近鉄奈良駅を出て賑わいのある東向商店街という名前のアーケード街を南に向かって歩いていった。
いわゆる全蓋式アーケードが設置されている。突然の雨だったので重宝した。

アーケード街の出口付近で、他の店と趣の違う景色が西側に現れた。
南都銀行本店である。
商店街の南端に位置し、その東側にアーケードが付置されているという格好になる。

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アーケード街を出て南側にまわるとようやく建物の全容が明らかになる。
イオニア式の列柱が重厚さをかもしだすこの建築は1926年に建てられたものだという。
当然アーケードの施工はその後のことであろう。

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ここで思ったのである。アーケードをこの建物の北端で止めるという選択肢はなかったものか。
当然、銀行の東向い側の店舗の事情もあるから、南都銀行の意向だけでは決まらないが。

銀行は店舗でもあるから、入口にアーケードがあるほうが利用客の利便性は増す。
しかしアーケードが邪魔で、古都奈良には珍しい洋式建築の全容は見えない。
この場合、正面である南側や西側は上まで見渡せるので問題は少ないが、あくまで東側は見えない。

アーケードと建築との関係性を考えさせられる。

森本 尚孝


  • 2010年6月 8日