「建築物」とは?(後編)
前回は、「建築物」かどうか判断に迷うものを列記した。今回は、私見と経験に基づく判断を述べる。
①
既製品の物置は?
置にも大小様々あるが、判断基準は人が中に入れるかどうかであると考え
る。扉を開けて棚がすぐある物置は「建築物」ではなく、人が中に入って収納
するタイプの物置は「建築物」であると判断する。
②
カーポートは?
増築で設置するときに確認申請され
ていないケースが多くあると想像されるが、紛れもなく「建築物」である。
③
居住できる船舶は?
土地に定着しないため「建築物」ではないと判断する。
④
開閉式テントの上屋は?
屋根が固定式でないにせよ閉めているときは屋根がある。よって「建築物」であると判断する。
⑤
犬小屋は?
仮にやや大きめの犬小屋で人が何とか中に入れるとしても、本来の用途は犬の家なので「建築物」ではないと判断する。ただし、畜舎と呼べる程度の大きさになると当然「建築物」になる。
⑥
ツリーハウスは?
ハウスと言うからには人が中に入って使用できるものである。また、土地に定着されているので「建築物」であると判断する。「建築物」である以上、土台となる木は建築基準法の構造関係規定に適合していなければならない(実際は難しいと思うが・・・)。
⑦
キャスター付きの上屋は?
キャスター付きなので移動できるが、実際の使用上は「土地に定着」した状態で使用することが想像できるので「建築物」であると判断する。ただし、蛇腹式で収納できる庇のようなものは「建築物」ではないとの判断もある。
⑧
キャンピングカーは?
土地に定着しないため「建築物」ではないと判断する。
⑨
コンテナーハウスは?
地方のカラオケBOXなんかで見られるが、これも土地に定着されているため「建築物」であると判断する。
⑩
洞窟は?
自然にできたものまたは自然を利用して造ったものであり「建築物」ではないと判断する。
⑪
ビーチパラソルは?
柱と屋根があるという点では「建築物」と言えなくもないが、通常一時的な使用であり、安全性でもさほど問題ないというのが実情であると考える。よって「建築物」ではないと判断する。
⑫
キャンプ用テントは?
これも柱(骨組)と屋根があるという点では「建築物」と言えなくもないが、上記と同様の理由で「建築物」ではないと判断する。ただし、継続的に生活する場合は、微妙な判断になると思われる。
以上の他にも判断に迷う事例はたくさんある。その際には特定行政庁に相談しケースバイケースで判断することになる。建築基準法は、建築物を使用する人々の生命・健康・財産を保護するための法律である。逆に考えれば、「放置しておくとこれらを脅かしてしまう構造物は『建築物』である」という判断基準もあるのではないだろうか。
- 2009年12月28日