自然の猛威と建築物


 古来、大多数の建築物は、人の生命と財産を「自然の猛威」から守るために造られてきたといって過言ではない。身近には皆さんの住まいも公園のダンボールハウス(DH)も雨風や寒さから身体や家財を守ることが大部分の目的である。
 しかし、その建築技術の進歩は、「自然の猛威」への敗北の歴史でもある。前述のDHで漫画チックに考えてみると(DHが建築物かどうかは、「建築物とは」のブログを参照)

 ① 野宿は寒いのでダンボールで六面を囲ってDH完成⇒寒風を防ぎすこぶる快適
 ② 雨が降ってきてずぶ濡れで壊れる⇒新築のDHにブルーシートを掛けて雨対策は完璧
 ③ 台風に襲われ全財産が吹っ飛ぶ⇒拾い集めた木材で丈夫な骨組を造り台風なんてヘッチャラ
 ④ 地震が起こり倒壊、下敷きになり大怪我⇒今度はやはりエス・アイ200で造ろう・・・・・・・・・?


サウジ洪水.jpgのサムネール画像 今回、何故このような馬鹿げた事に思案を巡らせたかと言うと、先達てサウジアラビアが洪水に見舞われたというニュースを見ていて、雨の多い日本ですら毎年各地で大水による人的・物的被害が有るのに対策が追いついていかないのだから、現地の人にとっては砂漠の我が街に大規模な雨水排水設備を建造するなどという発想は浮かんで来ないだろうと考えたからだ。
(右:サウジアラビアの洪水)

 日本では怖い物の代表に「地震・雷・火事・親父(おっと失礼台風)」が挙げられているが、雷は避雷針の進歩、火事は耐火建材・構造の発達により延焼は少なくなり、台風による一次的被害もあまり発生しなくなってきている。従って、日本の建築物にとって地震が最大の脅威であろう。

関東大震災(1).jpg 日本の建築構造の歴史は、地震との葛藤であり、特に近現代の建築史においては関東大震災から始まる度重なる大地震の被害を教訓として耐震基準の強化など法的な処置がとられて来た。
(左:関東大震災時の東京銀座)
 
 最新の基準強化後に新築が計画された建築物は、当然全てこの基準を満たしている。そして数々の新しい技術が考案され、建築物の地震対策は各段に進歩している。しかし、これとて法基準や設計思想の想定以上の地震が起こらない保証が無いことは、DHの例を引くまでも無い。

それこそが「自然の猛威」だ。

 建築物の地震対策には大きく分けて三つの考え方があるが、混同されたりしていることがあるのでオサライしておく。それは「耐震構造」「免震構造」「制振構造」で、三種まとめて地震に耐えるという意味から<耐震>という場合も少なからず有るので注意を要する。簡単に違いを述べるが、詳細については様々なホームページが有るので参照いただきたい。

 「耐震構造」⇒地震に耐える丈夫な(柔軟な)構造 {家は無事でも人や家財に被害がある事も?}
 「免震構造」⇒揺れを建物に伝えにくくする構造 {度が過ぎると地震が無くても船酔いする事も?}
 「制振構造」⇒伝わった揺れのエネルギーを吸収する構造 {詳細な解析と高い技術を要する}

 三和建設においては、既存の建築物が最新の耐震基準に照らし合わせて如何様な状況にあるのかを調査診断(耐震診断)し、不足があれば適切な補強の提案や施工(耐震補強)を行っている。これは、前述のとおり完璧とはいえないまでも、少なくとも建築物が倒壊しその下敷きで一命を落とすことは高い確率で防げるはずである。又、免震構造の建築物の施工実績もあり新築案件においても地震被害の激減に取り組んでいる。

 「自然の猛威」は取り除くことは出来ないが、それを許容できる建築物の提供をお約束できる三和建設へ先ずはご相談を。

 川 端 康 司

 


  • 2009年12月 7日