建設会社の二大派閥
建設会社には会社の大小を問わず大きな派閥が二つある。社長派と専務派いった人的なものではなく、保守派と革新派といった思想的なものでもない。それは「土木Vs建築」という技術集団である。まあこの二派閥は例外なく仲が悪く、ライバル心というより敵愾心といったほうがふさわしい関係だ。
なぜそうなのか?又そもそもその違いは何か?について考えてみたい。
言葉としての「土木」・「建築」は明治時代に外来語を日本語に当て嵌めた時に出来たもので字面から内容を推測することは意味を成さない。それ以前は「普請」といわれ今のように区別は無かった。(現在では城や屋敷を造るのは「建築」、治水や橋を造るのは「土木」となるが、明治以前は全て「普請」である。今の言葉で近いのは「建設」といったところだろうか)
元の外来語で考えて見ると、ご存知のとおり"Civil engineering"を訳した言葉が「土木」で直訳すれば「民生技術(軍事技術の反語)」とでもなる。「建築」は"Architecture"で同じく「建造物(Building)の構築や設計に係る芸術又は科学」だ。従って、"Civil engineering"の一分野が"Architecture"であって決して対立する物ではない。ちなみに諸外国では日本で取り扱っている建築の技術部門や環境・都市計画に関する部門も「土木」として扱われており、日本のいわゆる「土木」とは必ずしもイコールではない。余談だが、そんなこんなからか昨今、大学等の学科名から「土木」の名前が消えつつあるようで、その卒業生としていささか寂しい限りだ。
では、なぜこの派閥が対立する事と成ったかであるが、ここからは推論となるので真偽のほどと、私は「土木」技術者の端くれであるのでやや偏重することはご容赦願う。
本題に戻すと、そこにはやはり日本独特の官僚行政の顔が垣間見える。旧建設省(以下建設省と言う、関連特殊法人も含む)の行う建設事業の大半が土木工事で、「土木」=「官公庁発注」=「建設省・一部地方自治体」ともいえる。「おいおい、建設省もたくさんの建築工事を行っているぞ」との声も聞こえるが、それは建設省で行う以外省庁間の調整が付かないもの、他官庁からの委託がほとんどだ。
更に言えば各省庁には自部署の管轄する建築物を建設管理する部署が必ずある。(学校・芸術文化施設は文部科学省、病院・福祉施設は厚生労働省、税務署は財務省、裁判所施設は最高裁判所、それぞれの職員宿舎等々)逆を言えば建設省以外にダムやトンネルや橋を造る部署は無い。又民間で斯様な物を造る事もそう多くは無い。
従って「官庁Vs民間」・「建設省Vs他官庁」が「土木Vs建築」へ波及していると強引に結論付ける。
三和建設は、現在建築工事を主体に施工している建設会社であるが、土木技術者も数名在籍しており大規模な地下工事や敷地造成・開発などにその技術を発揮しより幅広い多種多様な建築物の建設に寄与している。
又、建築工事主体であるからといって決して国土交通省(建設省)と相反するのではなく長期優良住宅「エス・アイ200」などは、国策として同省が推し進めている事業に沿った最先端コンテンツである。
そんなことから三和建設では、「土木Vs建築」は存在しないと言うより「土木&建築」で建築主の皆様のご期待に添える技術集団であると確信している。
川端康司
- 2009年11月27日