建設業界と建設会社の未来

私が某大手ゼネコンで現場監督をやっていたときの上司が良く言っていた。

建設業界に未来はないが、建設会社に将来はある

 

そもそも、建設業におけるシェア(市場占有率)はどうなっているのだろうか?

自動車業界では、40%を超えるトヨタを筆頭に大手3社で7割以上を占める。

ビール業界では、大手4社でほぼ100%。

だから、キリンとサントリーの統合が大ニュースになる。

 

わが建設業界のシェアはどうなっているのか?

業界全体の市場規模については、いろんな切り口がある。

大手50社~70社の合計値として、12~17兆円とする見方もあるが、かつてとは違って、大手ゼネコン中小ゼネコンの市場へと参入している今となっては、三和建設クラスのゼネコンが大手ゼネコンと競合するケースもある。

このことから、元請建設会社の市場全体規模は、国土交通省が発表している統計データに基づく建設工事元請受注高から約35兆円とすべきであろう。

仮に35兆円を分母としたときの業界シェアはどうなるのか?

業界最大手の鹿島の2009年3月期の連結売上高は約1.9兆円なのでシェア約5%。

いわゆる大手4社の合計は7兆円程度だから、2割のシェアということになる。

前述の自動車やビール業界の実情と比較すると、その差は歴然としている。

 

仮に大手ゼネコンのうち2社が合併するとなれば、確かにビッグニュースではあるし、業界全体への影響は少なからずあるだろうが、大多数の中小ゼネコンへの影響はどれくらいあるかは微妙なところだ。

まして、業界におけるシェア0.02%の三和建設が、売上を倍に増やしても誰が文句を言うだろうか。

悪いのはわが社をとりまく環境ではなく、わが社自身に内在するさまざまな問題にこそあるのではないだろうか。

冒頭に書いた、かつての上司の言葉が思い出される。

 

森本 尚孝

 


  • 2009年8月 5日