中国人のユーモアと一世一代の事業
古今東西各国の君主は、自信の墳墓をその在位中に造ることが多く、エジプトのピラミッド日本の御陵などがそれに当たる。
北京の郊外に明十三陵という中国明代の歴代皇帝の墳墓群がある。その中で定陵という万歴帝(名は朱翊鈞)の墳墓があり、発掘され公開されているので訪れた方も多いと思う。墓室は地下の巨大なドーム空間の中にありそれはみごとなものだ。
建設業界の人間としてその造営方法などに大きな興味が惹かれる。
しかし、今回の話題はそのことではなく、その参道にある石碑(写真右)についてである。
この石碑には、字が一つも彫られていなくて無字碑と呼ばれている。
ガイドの説明によれば、
「ここに葬られている万歴帝は48年の長きにわたり在位し治世は浪費のみという、歴史的暗愚の君主でありこの定陵も国家予算の2年分を掛け6年の歳月を費やした人物だ。
記念碑というものはその人物の人となりや業績を称える文面が彫られているのが常だが、かの皇帝は何一つ褒め言葉を書くことができなかったので字が一字も無い」らしい、
その時は中国人の壮大なユーモアを感じたものだ。後に学術的には全く別の理由であると解ったがエピソードとしてはガイドの説明を採りたい。
狭い間借りの部屋からスタートし血のにじむ努力の末に戸建ての自宅を建築することを志し、法人にあっても自社ビルを建設することは一つの大きな目標となろう。
定陵ほど大規模ではなくとも、その精神は一歩も引けを取らないこの一世一代の事業に係わらせてもらうのが我々建設業者だ。
そのような時、三和建設は、どのような建物でも文字こそ彫らないが建築主の人となりが滲み出て周りの人々から末永く「流石」と言わしめるよう知恵を出し技術を駆使し、お手伝いさせていただく。
その一つに長期優良住宅エス・アイ200があり前述のモニュメントがいつまでも利用でき、何代先までの思い出にまで関与していくことを目指している。建物がただの消耗品でないことは、世界各地いや日本各地の有名な街並みを歩けば一目瞭然だから。
川端 康司
- 2009年8月 4日