ある若い現場監督の日記

職方より1本の電話があった。
『何で現場におらんねん!』

実は、現場監督として担当していた大阪の現場を6月いっぱいで抜け、7月より京都で新規の現場を担当している。
先ほどの電話は口こそ悪いが、何で(大阪の現場の)監督担当でなくなったのだ。という、職人さんからの嬉しいクレーム?の電話だったのだ。

現場は日々動き、刻々と変わる。
様々な業種のエキスパートが来て、様々な工程をこなし、また職人もミッションをこなしては次の現場次の現場へと移り変わっていく。

客観的にみれば、とても流動的に思えるかもしれない。
しかし、現場にいる私から言わせれば、そんなことはない。

皆様は、大の大人が本気で言い合いするところをご覧になる機会はあるだろうか。
現場では昼休みに現場監督と職長(業種のリーダー)達が集まって、その日や翌日以降の工程や搬出入、作業の進捗についての話し合いをするのだが、これが忙しくなればなるほど話し合いに時間がかかるし、難しい話し合いになる。

喧嘩ではないのだが、職方同士もかなりヒートアップした話し合いになる。
感情を表に出し過ぎるのは良くはないが、裏を返せば、それだけ自分の仕事・現場に対して熱意があるということだ。

学生の頃、クラスの皆で一つのことに対し、皆で協力して作業や練習をした時間は、人生の中でも非常に充実した時間のように思う。
私は今、仕事でも同じ思いを経験している。

建て物を作る。そこには多くの思いや、遣りとりがある。

個人個人がする仕事はごく一部にすぎないが、それをまとめて建て物=集大成を作り上げる、また作っている物が目の前で出来上がっていく姿を見られる現場監という仕事は贅沢だ。
皆で協力して作り上げる感動が現場にはある。
人と人との関係が、現場の流れを生み、建物を形にしていくのだ。

私は今年でまだ現場監督員として2年目である。
現場をしていると、同じ職方に会うこともある。

おお! 君か! 嬉しいな! またよろしく! 一緒に頑張ろう!!

こんな言葉を早く聞けるために、日々勉強しようと思う。

冒頭の電話は、その第一歩だと思えた。


渡部 千種


  • 2009年7月22日