タイル割り

タイル割りとは、タイルそのものを切ったり、叩いて割ったりすることではなく、
「タイルを割付ける」という意味だ。
一口にタイルといってもその大きさ、形状、厚み、色など数多くの種類があり、
また外部用、内部用、壁用、床用など貼り付ける箇所によってもその種類が違う。

それでは『タイルを割付ける』ということはどういうことか?
街中を歩いてみても、マンションなどの外壁にタイルを貼った建物を非常に多く目にする
タイルの種類の多さについてはすでに触れたが、一般的にマンションの外壁などに
使用されるタイルは、その殆どが「45二丁掛け(よんごにちょうがけ)モザイクタイル」だ。

45二丁掛タイルの割付

そもそもモザイクタイルとは1枚のタイルの大きさが50c㎡以下のものをいうが、
このタイルは1枚の大きさが95㎜×45mmで厚みは5~6mm。
また、開口部や隅角部貼付け用として「標準曲がり」「屏風曲がり」という役物(やくもの)と
呼ばれる90°に曲げられた形のものがある。

タイル役物

われわれ施工管理をおこなう者は、建物外壁にタイルを貼る仕様になっている場合、
必ず最優先して「タイル割り」を計画し、実際の施工に使用するための施工図を作成していく。
設計図の段階ではこの「タイル割り」がなされていないことが多いからだ。

では実際に何を計画するのかというと・・・
外壁に貼るタイルは"決して半端な寸法のタイル"を貼らない(割り付けない)ということである。
「45二丁掛け」は目地を含めるとその寸法は100㎜×50㎜となり、縦横の目地1本の幅は5㎜。
この1枚の寸法を守って、タイルを貼る外壁の全幅、全高さ、開口部の位置、
廊下やバルコニー手摺の高さなどを決めていく。
当然、様々な法令により定められていることを順守しながら、設計図で示される開口部の
大きさや位置の変更をし、外壁に取り付けるクーラー用の孔や照明器具の取付け位置に
至るまで、ミリ単位で計算された「タイル割り」を計画していくのである。

一般の人はまずこのようなことを気にしながら建物をみることはないと思う。
しかし、建築に携わるものはすべてと言っていいほど、この「タイル割り」にこだわる。
ファッションデザイナーが襟や袖、ボタンの大きさや取付け位置にこだわることと同じだと思う。
プロであるが故にこだわり続ける・・・
それは最高のものをお客様に提供するための最低のこだわりではないかと思う。

一度「タイル割り」を気にしながら建物を見てください。
タイル割りを見ると、その工事に携わった人の建物へのこだわりがわかります。

相良 敦



  • 2009年7月 2日